「土日くらいはゆっくり休みたい」「家族や友人と予定を合わせたい」
そう思っている保育士の方は多くいるのではないでしょうか?
実際には、土曜保育のシフトや週末の行事があり、土日をまとめて休めないのが現実です。しかし、職場の種類や働き方によっては、土日休みを実現している保育士もたくさんいます。
あきらめる前に、実態と選択肢を確認しておきましょう。
- 保育士が土日に休めない理由と年間休日数の実態について
- 土日休みが取りやすい職場の種類と雇用形態の選び方について
- 求人の見極め方と面接での伝え方のポイントについて
1. 保育士は土日休みを取れるの?

「保育士は土日に休めない」というイメージは広く持たれていますが、実態はどうなのでしょうか。
まず保育園の休日の仕組みを整理します。
認可保育園の基本的な休日ルール
日曜・祝日は基本的に休園
認可保育園の多くは、日曜日と国民の祝日を休園日としています。
児童福祉法に基づく認可保育所の運営基準において、日曜・祝日は原則として保育実施の義務がなく、「日曜・祝日休み」が保育園の基本ルールとなっています。
土曜日は「土曜保育」として開園する園が多い
ただし、土曜日については異なります。保護者の就労に合わせて土曜保育を実施している認可保育園は多数あり、保育士はシフト制で交代しながら土曜勤務をこなすのが一般的です。
土曜保育があると土日両方は休みにくい
土曜保育のシフトに入ると、日曜日が休みであっても「土日連続して休む」状態にはなりません。土曜出勤した分は平日に代休として取得する仕組みのため、毎週土日まとめて休むのは難しい環境です。
職場の種類や雇用形態によっては土日をしっかり休める保育士もいます。「保育士=土日休めない」と決めつける必要はありません。
2. 保育士が土日に休めない5つの理由

保育士が週末に休みにくくなる原因は一つではありません。現場でよく見られる主な理由を5つ挙げます。
① 土曜保育のシフトがある
全員が同じ日に休むわけにはいかないため、シフトを組んで交代で出勤します。
月に1〜2回の土曜出勤が発生するケースが多く、その分の代休は平日に振り替えられます。結果として、土日を連続して休める週が少なくなります。
② 運動会や発表会などの行事がある
保護者が参加しやすいよう、運動会・発表会・参観日といった大きな行事は土日に設定される場合がほとんどです。
前日準備や当日の片付けも含めると、週末の拘束は意外と長くなります。
③ 職員会議や園内研修が週末に入る
平日は保育時間中で全員が集まりにくいため、土曜の閉園後に職員会議や研修を設定する園もあります。
保育業務後に会議が続く状況が、週末の拘束につながります。
④ 製作物や書類を自宅に持ち帰る
壁面製作・保育指導案・連絡帳など、勤務時間内に終わらない業務を自宅に持ち帰るケースがあります。形式上は「休み」でも、土日に作業が発生すれば実質的な休息にはなりません。
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」でも、仕事量の多さや持ち帰り業務が保育士の負担感に直結していることが指摘されています。
⑤ 人手不足で代休が取りにくい
土曜出勤後に代休を申し出にくい雰囲気がある職場も少なくなく、代休が消化されないまま積み重なるケースがあります。
厚生労働省の調査では、保育士が就業をためらう理由として「休暇が少ない・取りにくい」を挙げた割合は47.5%にのぼっています。
3. 「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いを知っておこう

求人票でよく見るこの2つは、似ているようで意味が大きく異なります。
混同したまま入職すると「思っていたより休みが少なかった」という事態につながります。
週休2日制とは
「月に1回以上、2日休みのある週が存在する」という意味です。
毎週2日休めるとは限りません。3週は日曜のみ・1週だけ土日休みという働き方でも「週休2日制」と表記できます。
完全週休2日制とは
「毎週必ず2日休める」という意味です。土日固定のケースが多く、休みの日数が安定します。
求人票に「完全週休2日制(土日祝)」と明記されていれば、毎週土日が休みになる可能性が高いです。
年間休日120日以上が一つの目安
完全週休2日制(土日)+祝日休みで、年間休日は120日前後になります。
逆に年間休日が105日以下の求人は、土曜出勤や代休未取得が常態化している可能性があるため、詳しく確認することをおすすめします。
4. 保育士の年間休日数は実際どのくらい?

「休みが少ない」という感覚は、公的データからも裏付けられています。保育士を含む医療・福祉分野の平均年間休日数を確認します。
医療・福祉分野の平均は年間114日
厚生労働省「令和6年就労条件総合調査」によると、医療・福祉分野における労働者の平均年間休日数は114日です。
分布としては「120〜129日」が最も多く、全体の約38%を占めています。
日本全体の平均と比べても少ない現実
同調査で、日本全体の労働者の平均年間休日数は115.3日です。
医療・福祉分野はすでに全国平均を下回っており、保育現場では代休や有給が取りにくい環境を加味すると、実質的な休日数はさらに少なくなるケースもあります。
休日条件の改善が人材確保の課題にもなっている
保育士資格を持ちながら保育職への就職を希望しない「潜在保育士」が再就職をためらう理由として、厚生労働省の調査では「就業時間が希望と合わない」が最も多く挙げられています。
土日休みを含む休日条件の改善は、個人の働きやすさだけでなく、保育人材の確保という点でも重要な課題です。
5. 土日休みと平日休み、どちらが自分に合っている?

「休みを土日に取りたい」と考える前に、一度自身の休日について立ち止まって確認してみたいポイントがあります。
土日休みと平日休み、それぞれに異なるメリットがあり、ライフスタイルによってどちらが合うかは人それぞれです。転職先を選ぶ前に整理しておきましょう。
土日休みのメリット
- 家族や友人と予定を合わせやすい。
学校・会社が土日休みの人が多いため、一緒に出かけたり食事をしたりする機会が増えます。 - 子育てと両立しやすい。
自分の子どもが保育園・学校に通っている場合、同じ曜日に休めると家族の時間を確保しやすくなります。 - 地域行事や習い事に参加しやすい。
PTA活動や地域イベントは土日開催が多く、参加のハードルが下がります。
平日休みのメリット
- 病院・役所などの手続きがスムーズ。
平日にしか対応していない窓口や予約が取りやすく、生活上の用事を済ませやすいです。 - 混雑を避けて外出できる。
飲食店・ショッピング施設・観光地が空いている平日に休めるため、ゆったり過ごせます。 - 土日の保育手当が加算される場合がある。
土曜出勤に手当が支給される園では、平日休みを選ぶことで収入面のメリットも生まれます。
「土日休みが必要かどうか」を確認する3つの問い
以下の問いに「はい」が多い場合は、土日休みを優先して職場を選ぶ価値があります。

逆に「平日でも生活に支障がない」「手当収入を重視したい」という場合は、必ずしも土日休みにこだわる必要はありません。
休みの形にこだわるよりも、自分のライフスタイルに合った休み方を選ぶことが、長く働き続けるための大切な視点です。
6. 土日休みが取りやすい5つの職場タイプ

通常の認可保育園以外にも、保育士が活躍できる職場はたくさんあります。以下の5つは、土日休みが実現しやすい職場として知られています。
① 企業内・事業所内保育所
親会社のカレンダーに休日が連動する
企業が自社の従業員向けに設置した保育施設です。親会社の営業カレンダーに合わせて休日が決まるため、土日祝日が休みになるケースがほとんどです。
大規模な行事も少なく、週末に業務が入りにくい環境です。定員が少ないため製作物や書類の量も抑えられ、持ち帰り仕事が発生しにくい点も魅力です。
② 院内保育所
病院や医療機関の職員向けに設けられた保育施設です。
日勤専任として働く場合は平日日中に集中したシフトになることが多く、週末休みが取りやすいケースもあります。
ただし施設によって勤務形態が大きく異なるため、応募前に土日休みの有無を必ず確認しましょう。
③ 学童クラブ(放課後児童クラブ)
小学校の放課後や長期休みに子どもを預かる施設です。学校と同じカレンダーで運営されるため、土日祝日は基本的に休みになります。
年間休日が120日を超えるケースも多く、休日数を重視する保育士に向いています。対象が小学生(おおむね1〜6年生)になるため、乳幼児保育とは異なる関わり方が求められます。
④ 幼稚園型認定こども園
学校教育法に準じたカレンダーで運営されることが多く、土日祝日のほか夏休み・冬休み・春休みといった長期休暇も設けられています。
年間休日数が120日を超える施設も珍しくありません。幼稚園教諭免許と保育士資格の両方があるとより応募しやすくなりますが、片方のみでも可の求人もあります。
⑤ 小規模保育園(A型・B型)
定員19名以下の小規模保育園は、運動会や発表会などの大規模な行事が少ない傾向があります。
行事が少なければ週末出勤の必要性も下がり、土日休みが取りやすくなります。製作物や書類の量も大規模園より少なめになりやすく、持ち帰り業務の軽減にもつながります。
7. 正社員にこだわらない|パート・派遣という選択肢

「職場タイプを変えるのは難しい」「今すぐ転職できる状況ではない」という場合、雇用形態を見直すことも土日休みを実現する現実的な方法の一つです。
正社員が土日休みを取りにくい構造的な理由
正社員の保育士は、クラスの担任・行事の主担当・書類管理など、責任の重い役割を担うことが多いです。
行事が土日に開催される以上、担任や主担当として出勤を求められる機会も増えます。これが正社員の土日休み取得を難しくしている構造的な要因です。
パート・派遣なら「土日固定休み」を契約で取り決めやすい
パートや派遣保育士は、担任を持たずサポート役として入るケースが多いため、行事の主担当になることが少ない傾向があります。
また、雇用契約の段階で勤務曜日・休日を明確に取り決めやすく、「土日は働かない」という条件を最初から設定できる場合があります。
派遣の場合は、派遣会社が条件交渉を代行してくれるため、自分で希望を伝えるハードルも下がります。
切り替える前に確認しておきたいデメリット
雇用形態を変更する際は、以下の点を事前に整理しておきましょう。
「土日をしっかり休む」ことでプライベートの時間や家族との時間が確保でき、長く保育の仕事を続けられるという判断もあります。
収入とのバランスを踏まえた上で、自分にとって最適な雇用形態を選ぶことが大切です。
8. 土日休みの求人を探すときのチェックポイント

土日休みの職場を探すとき、求人票のどこを見ればよいのでしょうか。見落としやすい3つのポイントを確認します。
「完全週休2日制」の記載を確認する
土日を確実に休みたい場合は、「完全週休2日制(土日)」または「土日祝休み」と明記されている求人を選びましょう。
記載があいまいな場合は、応募前に問い合わせて確認することをおすすめします。
年間休日数を必ず確認する
「完全週休2日制(土日)+祝日」の場合、年間休日は120日前後になります。
120日を大きく下回っている場合は、土曜出勤や週末行事での勤務が多い可能性があります。
面接での伝え方と確認のしかた
「土日休みを希望していること」を面接でどう伝えるかに悩む方は多いです。
条件交渉のように受け取られないよう、言い方を少し工夫するだけで印象が変わります。
避けた方がよい伝え方(NG例)
- 「土日は絶対に休みたいのですが、大丈夫でしょうか」
→ 条件を先に提示する形になり、入職意欲より要求が前面に出る印象になります。- 「土曜保育には入れません」
→ 制約から入ると、柔軟性がないと受け取られる場合があります。
好印象につながる伝え方(OK例)
- 「長く安定して働ける環境を大切にしており、休日の取り方についても確認させてください。土曜保育は月にどのくらいの頻度で入ることになりますか?」
→ 長期就業の意欲を示しながら、自然に休日の実態を確認できます。- 「プライベートの時間も大切にしながら保育に集中したいと考えています。有給や代休は取りやすい職場環境でしょうか?」
→ 休みを「権利として要求」するのではなく、「働き方の希望」として伝えています。
面接で確認しておきたい逆質問の例
- 「土曜保育は月に何回程度あり、シフトはどのように組まれていますか?」
- 「行事の振替休日は、どのようなタイミングで取得されていますか?」
- 「有給休暇の取得率はどのくらいでしょうか?」
労働条件の確認は採用選考において当然のことです。聞き方を工夫することで、前向きな印象を保ちながら必要な情報を得ることができます。
9. 今の職場で土日休みを取りやすくするコツ

転職や雇用形態の変更をすぐに動けない場合でも、工夫次第で現在の職場での休みを取りやすくすることができます。
早めに希望を伝える
シフトの希望は早めに伝えるほど調整が通りやすくなります。
「この土曜日に代休を取りたい」「この週末は外せない用事がある」と具体的に伝えると、園側も動きやすくなります。
日頃から引継ぎをしっかりしておく
自分がいなくても業務が滞らない状態を日頃から作っておくことが、休みを取りやすくする土台になります。
子どもの様子や業務の進捗を周囲と共有し、休む前の引継ぎを習慣化しましょう。
繁忙期を避けて計画を立てる
運動会・発表会・入園式・卒園式が集中する時期は休みが取りにくくなります。
繁忙期を把握した上で、落ち着いた時期に休暇を集中させると希望が通りやすくなります。
10. まとめ|保育士の土日休みは職場選びで変わる

保育士が土日に休みにくい背景には、土曜保育・行事・人手不足など保育現場ならではの事情があります。
厚生労働省のデータでも、医療・福祉分野の平均年間休日数は全国平均を下回っており、休みにくさはデータが裏付ける現実です。
しかし、企業内保育・学童クラブ・小規模保育園・幼稚園型こども園など、土日休みが取りやすい職場は確かに存在します。職場タイプの変更が難しい場合は、パートや派遣への切り替えという選択肢もあります。
求人票では「完全週休2日制」の明記と「年間休日120日以上」を必ず確認し、面接では伝え方を工夫しながら休日の実態を確認しましょう。自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことが、長く保育の仕事を続けるための第一歩です。