子どもに関わる仕事として「児童指導員」という職種を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
児童養護施設や放課後等デイサービスなど、活躍の場は保育園以上に幅広く、対象となる子どもの年齢も0歳から18歳までと大きいのが特徴です。
この記事では、児童指導員の仕事内容や資格の取り方、保育士との違い、給料の目安、求人選びのポイントまでわかりやすく解説します。
- 児童指導員の仕事内容と、働ける施設の種類について
- 児童指導員になるための「資格の取り方」(保育士資格があればどうなるか)について
- 保育士との違いと、給料の目安・求人選びのポイントについて
1. 児童指導員とは?仕事内容をわかりやすく解説

児童指導員がどのような役割を担い、どんな子どもを対象にしているのか、まずは基本から見ていきましょう。
子どもの生活を支える「生活指導」が中心の仕事
児童指導員とは、さまざまな事情から児童福祉施設に通所・入所する子どもたちの、生活面の支援や心のケアを担う職種です。
食事や着替えといった日常生活のサポートに加え、学習の見守りや、個別支援計画の作成、保護者との相談対応まで幅広く関わります。
対象になる子どもの年齢は0歳〜18歳と幅広い
児童指導員が対象とするのは、0歳の乳児から18歳までと幅広い年齢の子どもです。同じ施設でも年齢層はさまざまで、乳児から高校生年代まで携わる可能性があります。
2. 児童指導員が働ける施設と仕事内容の違い
児童指導員が働ける施設には、主に次の3つがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
児童養護施設・乳児院(入所・生活支援中心)
親元で暮らせない事情がある子どもが生活する施設です。24時間体制の生活支援が中心となり、家庭に近い役割を担うため、夜勤が発生することもあります。
児童発達支援センター・放課後等デイサービス(通所・療育中心)
発達に特性のある子どもが通所し、療育プログラムを受ける施設です。
感覚統合やソーシャルスキルトレーニング(SST)など、専門的なプログラムの補助を行うことが多く、送迎業務が発生するケースもあります。
障害児入所施設(身体介助を伴うケースも)
心身に障害のある子どもが入所する施設で、食事・入浴・排せつなどの身体介助が業務に含まれる場合があります。
施設別「夜勤」「送迎」「身体介助」の有無比較表
【要確認】以下は施設形態ごとの一般的な傾向を整理したものであり、実際の勤務条件は施設ごとに異なります。
応募の際は求人票や面接で個別に確認することをおすすめします。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)児童指導員」
3. 児童指導員になるには?資格の取り方をやさしく解説

児童指導員の資格は、保育士資格とは仕組みが異なります。取得までの流れを見ていきましょう。
児童指導員は「任用資格」のため、採用されて初めて名乗れる
児童指導員には、保育士のような国家試験はありません。定められた要件を満たしたうえで児童福祉施設に採用されて、初めて「児童指導員」と名乗れる「任用資格」という仕組みです。
転職活動の際は、この点を踏まえて求人票を確認しましょう。
資格を得るための主な5つのルート
厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(第43条)では、主に次の5つのルートが定められています。
大学・大学院で指定科目を修了
社会福祉学、心理学、教育学、社会学のいずれかを専攻し、大学・大学院を卒業したケースです。
教員免許(幼・小・中・高)を保有
幼稚園、小学校、中学校、高等学校いずれかの教員免許を持っていれば、この要件を満たします。
社会福祉士・精神保健福祉士などの国家資格を保有
社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っている場合も、児童指導員の任用資格を満たします。
高卒・中卒+一定年数の実務経験
高等学校卒業後2年以上、中学校卒業後は5年以上、児童福祉事業に従事した実務経験がある場合も対象になります。
資格があっても実務経験や研修が必要な場合も
ルートによっては、資格取得後に一定の実務経験や研修受講が求められることがあります。応募前に、自分がどのルートに該当するかを確認しておくと安心です。
出典:厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(第43条)
4. 児童指導員と保育士の違いとは?

どちらも子どもに関わる仕事ですが、対象年齢や資格要件には違いがあります。具体的に見ていきましょう。
対象年齢・支援内容の違い
保育士は主に就学前の子どもの保育を担うのに対し、児童指導員は0歳から18歳までを対象に、生活支援や自立支援を担います。
関わる年齢の幅と、支援の目的(保育か自立支援か)が大きな違いです。
保育士資格だけで任用資格を満たせるケース/満たせないケース
保育士資格自体は、児童指導員の任用資格要件には含まれていません。
ただし、大学・短大で指定科目を修了して保育士資格を取得した場合は、児童指導員の資格要件も同時に満たしていることがあります。
セルフチェック:保育士資格+αで任用資格を満たせるか
上記のいずれかに当てはまる場合、児童指導員の任用資格を満たしている可能性があります。詳細は、応募先の施設や自治体に確認することをおすすめします。
保育士資格をすでに保有している場合、児童指導員への転向にあたって新たな資格取得が不要なケースもあります。
平均給与の差は月2万円台にとどまるため、収入面だけでなく、関わる年齢層の広さや自立支援という仕事の特性が自分に合うかどうかを軸に検討するのも一つの方法です。
保育士としての経験がどう活きるか
保育士として培った、子どもの発達段階に応じた関わり方や保護者対応のスキルは、児童指導員としての仕事でも大いに活かせます。
特に未就学児を対象とする児童発達支援の現場では、保育士経験がそのまま強みになります。
5. 児童指導員の給料はどれくらい?【公的データで解説】

気になる給料事情について、公的な統計データをもとに確認していきましょう。
平均給与・年収の目安
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、児童指導員の平均月収(手当等含む)は319,690円で、年収換算では約384万円が目安です。
施設形態による給与差(入所型・通所型)
同調査では、入所型施設のほうが通所型施設より給与水準が高い傾向が示されています。24時間体制で子どもの生活を支える分、給与に反映されやすいと考えられます。
入所型施設の給与水準が高い背景には、24時間体制での生活支援や身体介助といった業務負担の大きさが反映されていると考えられます。
求人票を比較する際は、給与額だけでなく業務内容とのバランスも確認しておくとミスマッチを防ぎやすくなります。
保育士との給与比較

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」
6. 児童指導員の求人票で見るべきポイント

転職や就職活動で求人票を見る際、押さえておきたいポイントを紹介します。
施設形態(入所・通所)と勤務体系の確認
夜勤の有無や送迎業務の有無は、施設形態によって大きく異なります。求人票を見る際は、施設の種類と勤務体系をあわせて確認しましょう。
処遇改善手当がきちんと反映されているか
児童指導員も、保育士と同様に「福祉・介護職員等処遇改善加算」の対象となる場合があります。基本給とは別に手当として支給されているか、求人票や面接で確認しておくと安心です。
児童発達支援管理責任者(児発管)へのキャリアアップ制度の有無
実務経験を積むことで目指せる「児童発達支援管理責任者」は、給与アップにもつながるキャリアパスです。
研修制度が整っている施設かどうかも、求人選びの参考になります。
よくある質問
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児童指導員は資格がなくても働けますか?
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「児童指導員」という名称は任用資格であり、定められた要件(大学での指定科目修了、教員免許、社会福祉士等の国家資格、一定年数の実務経験など)のいずれかを満たしたうえで施設に採用されて初めて名乗れるものです。
要件を満たさないまま「児童指導員」として就労することは想定されていないため、まずは自分がどのルートに該当するかを確認しておくことをおすすめします。詳細は応募先の施設や自治体に確認してください。
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教員免許の有効期限が切れている場合でも、児童指導員の資格要件を満たせますか?
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教員免許の有効性や更新手続きの扱いは制度改正等により変わる可能性があるため、一律の回答は難しい部分があります。
個別の状況によって判断が異なりますので、応募を検討している施設や自治体の窓口に直接確認することをおすすめします。
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児童指導員の勤務時間や休日はどのようになっていますか?
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勤務時間や休日は施設形態によって異なります。
児童養護施設や障害児入所施設のように24時間体制で運営される施設では夜勤やシフト制勤務が発生する一方、放課後等デイサービスなど通所型の施設では夜勤が発生しないケースが多い傾向があります。
応募前に求人票で勤務体系を確認しておくと安心です。
7. まとめ:児童指導員とは、保育士のその先の選択肢にもなる仕事

児童指導員は、保育士とは対象年齢や支援内容が異なるものの、これまで培ってきた経験や資格を活かせる場面が多い仕事です。
任用資格の要件は複雑に感じられるかもしれませんが、一つひとつ確認していけば、自分に合った道が見えてきます。
子どもの成長に長く寄り添いたいと考えている方は、キャリアの選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。