「認定こども園ってよく聞くけれど、保育園や幼稚園と何が違うの?」「保育士として働くなら、どんな資格が必要なんだろう?」と気になっていませんか。
認定こども園は幼稚園と保育園のよいところを合わせた施設で、数が年々増えています。転職・就職先として検討する保育士さんも多い一方、制度が少し複雑でわかりにくいと感じる方もいます。
この記事では、認定こども園の基本から、保育士として働くときに知っておきたいポイントまでわかりやすくまとめました。
- 認定こども園の基本と4つの種類について
- 保育園・幼稚園との違い(対象年齢・時間・目的)について
- 働くために必要な資格「保育教諭」と特例制度について
1. 認定こども園とは?幼稚園と保育園のよいところを合わせた施設

認定こども園とは、幼児教育と保育を一体的に行う施設です。幼稚園と保育園の両方の役割を持ち、保護者が働いていてもいなくても利用できるのが大きな特徴です。
もともとは、都市部の待機児童と、地方の幼稚園の定員割れという2つの課題に応えるため、2006年の「認定こども園法」でつくられた制度です。
現在はこども家庭庁が管轄し、国の基準を満たした施設が都道府県などから認定を受けて運営されています。
施設数は増え続けており、こども家庭庁の調査では全国で1万1,212施設と、前の年より729施設増えました。通う子どもの数も121万人を超えています。保育士が働く場所としても広がっている施設です。
出典:こども家庭庁「認定こども園に関する状況について(令和7年4月1日現在)」
2. 認定こども園の4つの種類をわかりやすく解説

認定こども園には、成り立ちによって4つのタイプがあります。どのタイプの園で働くかによって、雰囲気や求められる資格が少しずつ変わります。
幼保連携型
幼稚園の機能と保育園の機能をあわせ持つ、単独の施設です。
法律上は「学校」と「児童福祉施設」の両方の性格を持ちます。4つのタイプのなかで最も多く、全体の約7割を占めています。
幼稚園型
もともと認可幼稚園だった施設が、保育園のような機能(長時間の預かりなど)を備えたタイプです。
保育所型
もともと認可保育所だった施設が、幼稚園のような機能(教育の時間など)を備えたタイプです。
地方裁量型
幼稚園・保育園どちらの認可もない地域の施設が、認定こども園として認められたタイプです。
3. 認定こども園と保育園・幼稚園の違いを一覧表で確認
認定こども園・保育園・幼稚園は、対象になる年齢や預かる時間、目的などが異なります。まずは表で全体像をつかみましょう。

保育園は「保育を必要とする子ども」を預かる施設、幼稚園は「教育」を中心にした施設です。認定こども園はその両方の役割をあわせ持ち、短時間の子も長時間の子も一緒に過ごします。
4. 認定こども園の「1号・2号・3号」認定とは
認定こども園を利用するときは、子どもの年齢と保護者の就労状況によって「1号・2号・3号」の認定区分に分けられます。
ひとつのクラスに違う区分の子どもが在籍するため、働くうえでも知っておくと役立ちます。

たとえば1号認定は昼過ぎに降園し、2号・3号認定は夕方まで過ごすなど、同じクラスでも降園時間が異なります。
全国の在籍園児の内訳を見ると、1号認定が約23%、2号認定が約49%、3号認定が約28%です。教育目的で通う1号認定児が4人に1人近くを占める点は、保育を必要とする子どもが中心の保育園との構造的な違いといえます。
出典:こども家庭庁「認定こども園に関する状況について(令和7年4月1日現在)」
5. 認定こども園で働くために必要な資格「保育教諭」とは

認定こども園、とくに数の多い幼保連携型で中心となる職種が「保育教諭」です。
保育教諭とは、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ人がなれる職のことです。幼保連携型認定こども園では、この保育教諭を配置することが原則とされています。
幼稚園型・保育所型・地方裁量型では、扱いが少し異なります。満3歳以上の子どもを担当する場合はどちらか一方の資格でも働けますが、満3歳未満(0〜2歳)の子どもを担当する場合は保育士資格が必要です。
こども家庭庁の集計では、認定こども園1万1,212施設のうち幼保連携型が7,470施設と約7割を占めます。
この最も多いタイプでは保育教諭(両資格)の配置が原則ですが、残る幼稚園型・保育所型・地方裁量型(約3,742施設)では、満3歳以上を担当する場合に限り一方の資格でも働けます。
つまり、保育士資格だけでも就職先の選択肢は十分にあり、最も数の多い幼保連携型で長く働きたい場合に特例制度が選択肢になる、と整理できます。
出典:こども家庭庁「認定こども園に関する状況について(令和7年4月1日現在)」
6. 保育士資格だけでも働ける?特例制度で保育教諭を目指す方法

「保育士資格は持っているけれど、幼稚園教諭免許はない」という方のために、もう一方の資格を取得しやすくする「特例制度(経過措置)」が用意されています。
この制度を使うと、通常より少ない単位数で幼稚園教諭免許を取得できます。おおまかな流れは次のとおりです。
- 保育士として、対象施設で3年以上かつ4,320時間以上の実務経験を積む
- 大学などで特例の科目(最大8単位)を修得する
- 都道府県の教育委員会に申請して、幼稚園教諭免許を取得する
特例制度が使えるのは、令和11年度末(2030年3月末)までです。また、認定こども園法の施行から一定期間は、どちらか一方の資格だけでも保育教諭として働ける経過措置も設けられています。
「いずれ保育教諭として長く働きたい」と考えているなら、期限があるうちに免許の取得を検討しておくと安心です。
出典:文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」
7. 認定こども園で働く保育士の仕事内容と1日の流れ
認定こども園の仕事は、保育園と同じく子どもの生活のサポートや遊びの見守りが中心で、そこに幼稚園のような教育・学びの時間が加わります。
大きな特徴は、認定区分によって降園時間の違う子どもが一緒に過ごすことです。1日の流れの一例を見てみましょう。
認定こども園での1日の流れ(例)
- 午前:登園・自由遊び、クラスごとの活動(教育の時間を含む)
- 昼:給食・お昼寝
- 午後(14時ごろ):1号認定の子どもが降園
- 午後〜夕方:2号・3号認定の子どもが引き続き園で過ごす
- 夕方以降:順次お迎え・降園
このように、午後からは残る子どもに合わせた保育に切り替わります。職員はシフトを組んでチームで協力し、行事の準備なども分担して進めるのが一般的です。
8. 認定こども園で働くメリット・デメリット

認定こども園には、保育園や幼稚園とは違ったよさと、気をつけたい点があります。両方を知っておくと、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
メリット
- 保育と教育の両方に関われ、幅広いスキルが身につく
- 0歳から就学前まで、いろいろな年齢の子どもと関われる
- 保育教諭を目指すことで、キャリアの幅が広がる
- 土日祝が休みの園も多く、生活リズムを整えやすい場合がある
デメリット
- 認定区分ごとに降園時間が違い、シフトや対応が複雑になりやすい
- 行事や保護者対応が幼稚園寄りになり、準備の負担を感じることがある
- 幼保連携型では、いずれ両方の資格が求められる場合がある
デメリットは園のタイプや方針によっても変わります。転職や就職の際は、園の雰囲気や仕事の進め方を見学などで確認しておくと安心です。
9. 認定こども園で働くのに向いている人

これまでの内容をふまえると、認定こども園にはこんな保育士さんが向いています。
- 保育だけでなく、教育や学びの時間にも関わってみたい方
- 0歳から就学前まで、幅広い年齢の子どもと関わりたい方
- 保育教諭として、腰を据えて長くキャリアを積みたい方
一方で、認定区分による降園時間の違いや行事の多さなど、仕事の幅が広い分、覚えることも増えます。じっくり慣れていきたい方は、研修やサポート体制の整った園を選ぶとよいでしょう。
よくある質問
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未経験やブランクがあっても認定こども園で働けますか?
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保育士資格があれば、未経験やブランクからの就職・復職も可能です。
研修制度や先輩のサポートが整った園を選ぶと、認定こども園ならではの流れにも慣れやすくなります。
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パートや短時間勤務の求人もありますか?
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認定こども園でも、フルタイムのほかパート・短時間の求人があります。
夕方の預かり時間帯など、募集の多い時間帯は園によって異なるため、求人ごとに条件を確認しましょう。
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保育園と比べて、認定こども園の給料は変わりますか?
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園や運営法人、地域によって異なります。
保育教諭として両方の資格を持っていると、資格手当などで待遇が上がる園もあります。求人ごとに給与や手当を確認するとよいでしょう。
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認定こども園の求人は今後も増えていきますか?
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認定こども園の施設数は年々増えており、こども家庭庁の集計では令和7年4月時点で1万1,212施設と、前の年より729施設増えています。
移行が進む傾向にあるため、働く場所としての選択肢も広がっています。ただし地域や園によって募集状況は異なるため、最新の求人情報を確認しましょう。
まとめ:認定こども園は保育と教育の両方に関われる職場

認定こども園は、幼稚園と保育園のよいところを合わせた施設で、全国で数が増え続けています。
保育士にとっては、保育と教育の両方に関われる、やりがいのある職場のひとつです。大切なポイントを振り返っておきましょう。
- 認定こども園には4つのタイプがあり、幼保連携型が最も多い
- 保育園・幼稚園とは、対象年齢・預かり時間・目的などが異なる
- 中心となる職種は、両方の資格を持つ「保育教諭」
- 保育士資格だけでも働け、特例制度で幼稚園教諭免許も目指せる(令和11年度末まで)
「これまでの保育経験を活かしながら、教育の分野にも関わってみたい」という方は、認定こども園を転職先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。