「自分のボーナスって、みんなより多いの?少ないの?」そんな疑問を持つ保育士の方は多いはずです。
この記事では、厚生労働省の最新データをもとに、平均金額・手取り・支給時期を状況別にわかりやすくまとめました。
- 保育士のボーナス平均額と手取りの目安(公立・私立・年齢別)について
- 1年目・パート・産休中など状況別の支給ルールについて
- 求人票の読み方とボーナスを増やす方法について
1. 保育士のボーナス平均はいくら?公立・私立の違いを確認しよう

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、保育士全体の年間賞与平均はおよそ74万円です。
ただし公立・私立の別や法人規模によって金額に大きな差が出ます。
私立保育園のボーナス平均
私立保育園(認可保育所・認定こども園など)の年間ボーナスは35万〜70万円程度が目安で、月給の約2〜3か月分が相場です。
法人の規模や経営状況によってばらつきが大きく、「支給なし」の園も存在します。
公立保育園のボーナス平均
公立保育園の保育士は地方公務員のため、人事院勧告にもとづいて支給額が決まります。
年間の支給月数はおおむね4.4〜4.6か月分、年間平均は約146万円と私立を大きく上回ります。ただし採用倍率が高く、自治体ごとの試験突破が必要です。
公立・私立のボーナス比較表

※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」(e-Stat)をもとに作成
2. 保育士のボーナス平均は年齢・経験でどう変わる?

ボーナスは年齢や勤続年数が上がるほど増えていくのが一般的です。厚生労働省の統計をもとに、年齢別・経験年数別の目安を確認しましょう。
年齢別のボーナス平均(私立保育士・正規職員)

50代前半がピークで、長く働くほど着実に増えていきます。
経験年数別のボーナス平均

※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」(e-Stat)をもとに作成
3. 保育士のボーナスはいつ支給される?支給時期・回数を確認しよう

ボーナスは夏と冬の年2回支給されるのが一般的ですが、公立と私立では支給日の決まり方が異なります。
夏・冬の年2回が基本

公立は人事院勧告にもとづき、夏は6月30日、冬は12月10日が基本です。私立は就業規則によって異なります。
※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」(e-Stat)をもとに作成
年3回支給の園もある
夏・冬に加えて春(3〜4月)にも支給する「年3回制」の園もあります。求人票や採用時に確認しておきましょう。
4. 保育士のボーナス手取りはいくら?計算のしかたを説明

ボーナスは額面がそのまま振り込まれるわけではなく、社会保険料と所得税が差し引かれます。
ボーナスから引かれるもの
- 健康保険料(標準賞与額 × 保険料率)
- 厚生年金保険料(標準賞与額 × 保険料率)
- 雇用保険料(賞与額 × 雇用保険料率)
- 所得税(社会保険料を引いた後の金額に課税)
なお、住民税はボーナスから引かれません(毎月の給与から均等に差し引かれます)。
手取り額の目安
控除を合わせると額面の20〜30%が引かれるため、手取りは額面の約70〜80%が目安です。

ボーナスは「基本給」をもとに計算される
ボーナスの計算ベースは月給(総支給)ではなく基本給です。資格手当・住宅手当・残業代などは原則含まれません。
月給25万円でも基本給が18万円なら、ボーナスは18万円×支給月数で計算されます。求人票では「月給」と「基本給」を分けて確認することが大切です。
5. 保育士のボーナス事情【状況別】1年目・パート・産休中

「自分はボーナスをもらえるの?」という疑問に、状況別にお答えします。
保育士1年目(新卒・転職)のボーナス
新卒で4月入職の場合、最初の夏ボーナスは寸志または不支給になるケースが多いです。
評価対象期間(通常10月〜3月)に入社前が含まれるためで、転職1年目も同様です。
冬ボーナス(12月)から本格支給が始まるのが一般的なので、最初の夏は0円や少額でも異常ではありません。
パート・非常勤保育士のボーナス
パートや非常勤は支給なしの園が多いのが現実ですが、厚生労働省の統計では短時間労働者の年間ボーナス平均は約6.6万〜9万円と記録されており、寸志を支給する園も存在します。
採用時に就業規則で確認しておきましょう。
※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」(e-Stat)
産休・育休中のボーナス
支給されるかどうかは各園の就業規則によります。評価対象期間中に勤務実績があれば、日割りや勤務日数に応じて一部支給されるケースもあります。
育休取得のタイミングが評価期間とどう重なるかで金額が変わるため、事前に職場の担当者に確認しておくと安心です。
状況別のボーナス支給まとめ

6. 保育士のボーナスを増やす方法|3つの選択肢

ボーナスを増やすための手段は大きく3つあります。今の職場でできることと、転職という選択肢を含めて整理しました。
① 同じ職場で勤続年数を積む
基本給は経験年数とともに上がるのが一般的です。同じ園で長く働き続けることが、ボーナスを着実に増やす基本の方法です。
② キャリアアップ・役職を目指す
国の処遇改善等加算Ⅱ制度を活用すると、役職に就くことで月額手当が増え、ボーナスの計算基礎(基本給)に反映される場合があります。

キャリアアップ研修を受講することで該当の役職に就けます。在籍中の園が対象かどうか確認してみましょう。
※出典:こども家庭庁「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」・処遇改善等加算Ⅱ制度概要をもとに作成
③ ボーナスの高い園へ転職する
現在の職場でボーナスが少ない・または支給されていない場合は、転職も選択肢のひとつです。
一般的にボーナス水準が高いとされる職場を参考にしてください。

7. 保育士の求人票でボーナスを正しく読む方法

「賞与あり」の一言だけで判断していませんか?ボーナスの表記には読み方を知らないと損をしやすい落とし穴があります。
「賞与あり」だけでは情報不足
「賞与あり」と書かれていても、以下が明記されていなければ実態はわかりません。
- 年間何か月分か(「賞与年2回」だけでは月数がわからない)
- 「実績」か「規定」か(「賞与実績2か月」は過去の実績で保証ではない)
- 何を基準に計算するか(基本給のみか、各種手当込みか)
「処遇改善手当を含む」表記に注意
月給の内訳に国の加算分が組み込まれているケースがあります。
この手当は法人の経営方針や制度の継続性に左右されるため、固定給と変動分を分けて確認することが大切です。
求人票で確認したい3つのポイント

不明な点は面接・見学時に質問しましょう。「賞与の計算のもとになる基本給はいくらですか?」と聞くのが最も確実です。
8. 保育士のボーナスが妥当かどうか、自分でチェックする方法

平均データと比較するだけでなく、今の職場を自分で判断できる視点を持っておくことも大切です。
以下のチェックリストを参考にしてみてください。
職場のボーナス環境チェックリスト

該当しない項目が多い場合は?
複数当てはまらない場合は、まず職場の担当者に率直に確認してみましょう。それでも改善が見込めないなら、転職を検討する選択肢もあります。
9. 保育士のボーナスに関するよくある質問(Q&A)

保育士のボーナスについてよく寄せられる疑問をまとめました。
Q. ボーナスがない園は普通ですか?
私立の小規模園では支給されないケースも珍しくありません。
賞与なしの職場は離職率が高くなる傾向があるため、求人選びの段階で必ず確認しましょう。
Q. 処遇改善はボーナスに反映されますか?
処遇改善等加算Ⅰは基本給に組み込まれる場合があり、結果としてボーナスの計算基礎が上がることがあります。
ただし加算の使途は各法人の裁量によるため、職場に確認するのが確実です。
Q. ボーナスから住民税は引かれますか?
引かれません。
住民税は毎月の給与から均等に差し引かれます。ボーナスから引かれるのは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税の4つです。
Q. 保育士のボーナスは今後上がりますか?
改善傾向が続いています。
こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果(速報)」によると、処遇改善加算の拡充により私立保育所の保育士の平均給与は5年前より月額4万〜5万円(年間換算で約50万円)増加しています。
今後の処遇改善策の動向にも注目しておきましょう。
10. まとめ:保育士のボーナス平均と手取り

保育士の年間ボーナス平均は約74万円ですが、公立(約146万円)と私立(35万〜70万円)では大きな差があります。
手取りは額面の約70〜80%が目安で、計算のベースは基本給です。1年目の夏は寸志・不支給が一般的で、冬から本格支給が始まります。
求人票では支給月数・計算基準・実績か規定かの3点を確認し、ボーナスを増やしたいなら勤続・キャリアアップ・転職の3つの方向性を状況に合わせて検討してみてください。