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保育士資格は誰でも取れる?受験資格の条件と合格率を解説

「保育士資格って誰でも取れると聞いたけど、本当?」「自分の学歴でも受験できるの?」。そんな疑問を持つ方は少なくありません。

上記に関しては、保育士資格には年齢の上限がなく、一定の条件を満たせば誰でも挑戦できます。一方で、合格率は約20〜26%台と決して簡単ではない国家試験でもあります。

この記事では「誰でも取れる」という言葉の正確な意味を、受験資格と試験難易度の2つの軸から整理し、自分に合った取得ルートを紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 保育士資格の受験資格と合格率の実態について
  • 養成校ルートと試験ルートの違いと選び方について
  • 社会人・主婦でも合格できる勉強法と学習計画について
目次

1. 保育士資格は「誰でも取れる」のか?2つの意味で正しく理解しよう

1. 保育士資格は「誰でも取れる」のか?2つの意味で正しく理解しよう

「保育士資格は誰でも取れる」には、混在する2つの意味があります。

混同したまま受験を進めると思わぬ落とし穴にはまるため、まずここを整理しておきましょう。

「受験資格」の観点:条件を満たせば年齢不問で誰でも挑戦できる

保育士試験には年齢の上限がありません。ただし「無条件で誰でも受験できる」わけではなく、最終学歴に応じた受験資格の条件があります。

大学・短大を卒業していれば基本的に受験資格があり、高卒・中卒の場合は実務経験などの要件が必要です。

「合格難易度」の観点:合格率約20%台の国家試験であり、簡単ではない

受験の門戸は広い一方、合格は別の話です。

こども家庭庁・厚生労働省が公表しているデータを見ると、合格率は以下のとおりです。

年度受験者数合格者数合格率
令和7年度(2025年)54,807名10,621名19.4%
令和6年度(2024年)58,767名15,475名26.3%
令和5年度(2023年)66,625名17,955名26.9%
令和4年度(2022年)79,378名23,758名29.9%
令和3年度(2021年)83,175名16,600名20.0%

参考:こども家庭庁「保育士になるには?」

合格率はおおむね20〜26%台で推移しており、4〜5人に1人しか合格できない試験です。さらに初回受験での一発合格率はわずか15%で、合格者の約7割が複数回受験を経て資格を取得しています。

合格率19.4%という直近の数字に加え、一発合格率15%を重ね合わせると、複数回チャレンジすること自体が「正しい戦略」であることがわかります。

「受験資格の広さ」と「合格の難しさ」、この両方を正しく理解した上で準備を進めることが大切です。

2. 保育士試験の受験資格一覧|学歴・実務経験ごとの条件を確認しよう

受験資格の条件は最終学歴によって異なります。

一般社団法人全国保育士養成協議会が定める基準をもとに整理しましたので、まず自分の学歴を確認してみましょう。

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「受験資格(詳細)」

大学卒業・在学・中退の場合

状況受験資格
大学を卒業(学部・専攻不問)受験資格あり
大学に2年以上在学し、62単位以上修得済み受験資格あり
大学を中退(2年以上在学・62単位以上修得)受験資格あり

学部・専攻は問われないため、文学部や経済学部など保育と無関係な卒業者でも受験できます。

短期大学の場合

状況受験資格
短期大学を卒業(学科不問)受験資格あり
短期大学に在学中受験資格あり

専門学校の場合

状況受験資格
修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上の専門課程を卒業受験資格あり
上記専門学校に在学中受験資格あり

1年制の専門学校は対象外になる場合があるため、事前に確認が必要です。

高等学校卒業の場合

卒業年度によって条件が異なります。

  • 平成3年3月31日以前に卒業した方: 受験資格あり(実務経験不要)
  • 平成3年4月1日以降に卒業した方: 児童福祉施設において2年以上かつ2,880時間以上の実務経験が必要

中学校卒業の場合

児童福祉施設において5年以上かつ7,200時間以上の実務経験が必要です。

受験資格として認められる「児童福祉施設」とは

実務経験は、「児童福祉施設」として認められた施設でなければなりません。主な対象施設は以下のとおりです。

  • 保育所(認可保育所・認定こども園など)
  • 認可外保育施設(都道府県知事に届出済みのもの)
  • 児童養護施設・乳児院
  • 障害児入所施設 など

「子どもに関わる仕事ならどこでも対象」ではないため、自分の職場が対象かどうかは全国保育士養成協議会の公式情報で確認しましょう。

海外の学校を卒業した場合・受験資格が不明な場合

海外の大学・専門学校を卒業した方や判断に迷う方は、都道府県知事が個別に認定する「受験資格認定」の申請制度があります。

全国保育士養成協議会または都道府県の担当窓口に相談してみましょう。

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験に関するQ&A」

▼ 自分の受験資格を3ステップで確認

STEP1:
大学・短大を卒業(または2年以上在学・62単位以上修得)している → 受験資格あり

STEP2:
修業年限2年以上・1,700時間以上の専門学校を修了(または在学中)している → 受験資格あり

STEP3:
高卒(平成3年4月1日以降)または中卒 → 実務経験の条件を確認(上の内容を参照)

どれにも当てはまらない場合は、都道府県の担当窓口または全国保育士養成協議会への問い合わせが確実です。

3. 既存の資格・免許があれば保育士試験の科目免除が使える

3. 既存の資格・免許があれば保育士試験の科目免除が使える

すでに別の資格や免許を持っている方は、保育士試験の科目の一部または全部が免除される制度があります。

対象かどうか、まず確認してみましょう。

科目免除が受けられる主な資格・免許

保有資格・免許主な免除内容
幼稚園教諭免許(1種・2種・専修)筆記試験の大部分+実技試験の全科目が免除(特例制度あり)
社会福祉士「社会福祉」「子ども家庭福祉」など一部科目が免除
介護福祉士「社会福祉」が免除
医師・保健師・助産師・看護師「子どもの保健」が免除
栄養士・管理栄養士「子どもの食と栄養」が免除

幼稚園教諭免許を持っている方への特例(幼保特例制度)

幼稚園教諭免許を保有し、幼稚園や認定こども園などで3年以上・4,320時間以上の実務経験がある方は、幼保特例制度により筆記試験が2科目のみ、実技試験は全科目免除になります。

通常より格段に短い学習期間での合格が可能です。

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「受験資格(詳細)」

4. 保育士になる2つのルートを比較|養成校と試験、どちらが自分に向いているか

保育士資格を取得するルートは大きく2つあります。

費用・期間・難易度の3軸で比較し、自分のライフスタイルに合った方を選びましょう。

ルート①:指定保育士養成施設を卒業する(試験なし)

厚生労働大臣が指定する大学・短大・専門学校の保育士養成課程を修了すれば、国家試験を受けずに保育士資格を取得できます。

項目目安
費用200万〜500万円程度(2〜4年分の学費)
所要期間2〜4年
試験の有無なし(実技実習あり)
向いている人確実に資格を取りたい方、保育を体系的に学びたい方

在学中に保育実習も積めるため就職後のギャップが少ない一方、学費の負担と通学時間の確保がハードルになります。

参考:こども家庭庁「保育士になるには?」

ルート②:保育士試験に合格する

年2回(前期・後期)実施される国家試験に合格する方法です。独学・通信講座・通学講座など、自分のペースで学習方法を選べます。

項目目安
費用数万円〜十数万円(学習教材・受験料など)
所要期間半年〜3年程度
試験の有無筆記(9科目)+実技(3分野から2分野を選択)
向いている人費用を抑えたい方、働きながら取得したい社会人・主婦

費用を大幅に抑えられる一方、合格率約20〜26%台の試験を突破する必要があります。

科目合格の免除制度(3年間有効)を活用しながら複数回受験で合格を目指すのが現実的な戦略です。

どちらを選ぶべき?チェックリスト

養成校ルート試験ルート
費用を抑えたい✕◎
確実に資格を取りたい◎△
働きながら目指したい△(夜間・通信制あり)◎
できるだけ早く取りたい△◎(最短半年も可能)
保育を一から深く学びたい◎△

社会人・主婦で費用を抑えたい方には試験ルートが現実的です。

保育の専門知識を体系的に学びたい方や試験への不安がある方には養成校ルートが向いています。

5. 保育士試験の難易度|「誰でも簡単には取れない」3つの構造的な理由

5. 保育士試験の難易度|「誰でも簡単には取れない」3つの構造的な理由

合格率が20〜26%台にとどまる背景には、試験の構造的な難しさがあります。

この3つを知らずに挑むと「思ったより難しかった」と感じることになります。

理由①:9科目すべてで6割以上の得点が必要

保育士の筆記試験は以下の9科目で構成されています。

  • 保育原理
  • 教育原理
  • 社会的養護
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

9科目すべてで6割以上が合格の条件です。1科目でも基準を下回ると不合格になるため、得意科目で苦手科目をカバーすることができません。

理由②:「ニコイチ科目」という特殊な合格ルールがある

「教育原理」と「社会的養護」は、同一の試験回に両科目とも6割以上を取らないと合格にならない特殊なルールがあります(通称:ニコイチ科目)。

片方だけ基準点を超えても、どちらも無効になります。複数回受験が必要になる最大の原因のひとつです。

理由③:筆記合格後に実技試験がある

筆記試験(9科目全合格)の後に、以下の3分野から2分野を選択する実技試験があります。

  • 音楽表現: ピアノ・ギター・アコーディオンで弾き歌い
  • 造形表現: 保育の場面を色鉛筆で描写(45分・条件あり)
  • 言語表現: 幼児へのお話(素話・3分間)

合格基準は各分野で6割以上です。楽器が苦手な方でも造形・言語の選択で対応できますが、一定の練習が必要です。

6. 保育士試験の合格に向けた勉強法と学習スケジュールの立て方

6. 保育士試験の合格に向けた勉強法と学習スケジュールの立て方

正しい方法と計画で準備すれば、社会人や主婦でも十分に合格できる試験です。効率的な学習戦略を紹介します。

科目合格制度(3年間免除)を最大限に活用しよう

合格した科目は3年間有効で、次回以降の受験時に免除されます。

9科目を一度に合格しようとせず、年2回の受験機会を使って積み上げる戦略が現実的です。

受験回受験科目の目安
1年目・前期保育原理/子ども家庭福祉/社会福祉/保育の心理学(4科目)
1年目・後期教育原理・社会的養護(ニコイチ)/子どもの保健/子どもの食と栄養(4科目)
2年目・前期保育実習理論(1科目)+実技試験

必要な学習時間の目安

合格に必要な学習時間は一般的に100〜150時間程度が目安です。

1日1〜2時間を6か月続ければ届く計算で、通勤時間や昼休みのスキマ学習でも積み上げられます。

学習方法は3つ|自分のライフスタイルで選ぼう

① 独学(市販テキスト・過去問を活用)

費用は5,000〜15,000円程度と最も安く抑えられます。

ただし学習計画を自分で立てる必要があり、ニコイチ科目など試験特有のルールを事前に把握しておくことが重要です。

② 通信講座

費用は30,000〜80,000円程度。教材が体系的にまとまっており、添削・質問サポートも受けられます。

学習リズムを作りたい方や、効率よく進めたい方に向いています。

③ 通学講座

費用は100,000〜200,000円程度。講師から直接指導を受けられる反面、費用が最も高く通学時間の確保も必要です。

30代・40代・主婦でも合格できる

年齢によるハンデはなく、合否を左右するのは学習の継続と計画の質です。

独学でも最短10か月程度での合格事例が多数あり、30〜50代での取得は珍しくありません。

7. 地域限定保育士制度とは|まずは地元でキャリアをスタートしたい方へ

「なるべく早く、地元で保育士として働き始めたい」という方には、あまり知られていない選択肢があります。それが地域限定保育士制度です。

地域限定保育士制度の概要

2015年から一部の都道府県で導入されている制度で、通常の保育士試験と同様の国家資格ですが、合格から一定期間は取得した都道府県内のみで保育士として働けます。

項目通常の保育士試験地域限定保育士試験
実施回数年2回(前期・後期)年3回実施の地域あり
勤務エリア全国取得した都道府県のみ(3年間)
3年後の扱い―全国で使える通常の保育士資格に自動移行
実施地域全国実施している都道府県のみ

年3回受験のチャンスがある地域では、科目合格のタイミングをより柔軟に設計できます。

全国対応の資格への移行には、登録後3年の経過に加え1年以上・1,440時間以上の業務従事が必要です。

「まず地元で経験を積む」戦略として有効ですが、実施している都道府県が限られるため、居住地の情報を事前に確認してください。

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験に関するQ&A」:こども家庭庁「保育士になるには?」

8. 保育士資格取得後の将来性|取得する価値はあるのか

8. 保育士資格取得後の将来性|取得する価値はあるのか

取得に向けて時間と労力を投じる価値があるか、将来のビジョンを確認しておきましょう。

保育士資格は更新不要の「一生涯使える国家資格」

一度取得すれば更新手続きが不要です(登録は必要ですが、有効期限はありません)。

長いキャリアを通じて活用できる一生ものの資格です。

活躍できる就業先は保育園だけではない

「保育士 = 保育園」のイメージがありますが、実際には幅広い職場で活躍できます。

  • 認定こども園・認証保育所・小規模保育施設
  • 学童クラブ(放課後児童クラブ)
  • 児童養護施設・乳児院
  • 障害児支援施設・児童発達支援センター
  • 病院内保育室・企業内保育室
  • ベビーシッターサービス

ライフステージに合わせてパート・フルタイム・派遣など柔軟に働き方を選べる点も強みです。

保育士の専門性と社会的需要は高まっている

株式会社さくらさくみらいが実施した「保育従事者の意識調査(2025年)」では、保育従事者の98.7%が「保育は専門性の高い仕事」と自認している一方、社会的に正しく認知されていると感じているのは24.7%にとどまっています。

こども家庭庁の方針のもと処遇改善が進められており、保育士の専門性への社会的評価は今後さらに高まっていく分野です。

参考:株式会社さくらさくみらい「保育従事者の意識調査(2025年)」(PR TIMES)

よくある質問

保育士試験に合格するまでに平均何回受験しますか?

公表されているデータでは、初回受験での一発合格率は約15%にとどまり、合格者の多くが2〜3回の受験を経ています。

科目合格の免除制度(合格年を含む3年間有効)を活用しながら計画的に積み上げる方法が現実的です。

保育士資格と幼稚園教諭免許はどちらを先に取得するほうがよいですか?

どちらが先でも構いませんが、幼稚園教諭免許を先に取得すると「幼保特例制度」を活用できる可能性があります。

この制度では、一定の実務経験があれば保育士試験の科目が大幅に免除されます。

認定こども園での就職を目指す場合は両方の資格が求められることが多いため、自分のキャリアプランに合わせて検討しましょう。

実技試験でピアノが弾けない場合はどうすればよいですか?

実技試験は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3分野から2分野を選択できます。

ピアノが苦手な方は「造形表現」と「言語表現」を選ぶことで音楽を避けることができます。

ただし、どの分野も一定の練習が必要です。選択後は早めに練習を始めましょう。

まとめ:保育士資格は「条件を満たせば誰でも挑戦できる」が「計画なしには合格できない」国家試験

まとめ:保育士資格は「条件を満たせば誰でも挑戦できる」が「計画なしには合格できない」国家試験

保育士資格は年齢の上限がなく、学歴・実務経験の条件を満たせば幅広く挑戦できる国家資格です。

一方で合格率は約20〜26%台と高い壁があり、一発合格率は15%にとどまるため、科目合格免除制度(3年間有効)を活用した複数回受験が現実的な攻略法です。

養成校ルートと試験ルートのどちらが向いているかは費用・期間・学び方のスタイルによって異なります。

学習時間の目安は100〜150時間程度で、スキマ時間を活用すれば社会人・主婦でも十分に目指せます。まずは自分の受験資格を確認するところから、一歩踏み出してみましょう。

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