「今の職場は離れたいけれど、子どもと関わる仕事は続けたい」——そう思っている保育士の方に向けて、資格あり・なし別に職種を20選まとめました。
今回は、向いている人の特徴や、転職先の選び方まで、わかりやすく解説します。
※本記事では、児童福祉法に基づき0歳から18歳未満を『子供(児童)』の対象として解説します。
- 子どもと関わる仕事の分野と、代表的な20の職種について
- 保育士資格・経験者が活かせるキャリアの選択肢について
- 自分に合った職場・働き方の見つけ方について
1.子供と関わる仕事はどんな分野がある?

子どもに関わる仕事を大きく分けると、以下の4つの分野があります。
- 保育・教育:保育所、認定こども園、幼稚園、学童保育、学習塾、習い事スクール
- 医療・福祉:小児科クリニック、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、児童相談所
- 一般企業・サービス業:玩具・子ども服メーカー、子ども向けイベント会社、写真館、送迎ドライバー
- 在宅・フリーランス:ベビーシッター、英会話インストラクター、ホームティーチャー
保育士や幼稚園教諭の有効求人倍率は、最新のデータで保育士が2.67倍、幼稚園教諭が2.49倍と、求職者1人に対して2件以上の求人がある計算です。
全職種平均(約1.2倍前後)と比べても、いかに求人が多いかがわかります。
2.【資格あり】保育士・幼稚園教諭免許を活かせる子供と関わる仕事10選

保育士資格や幼稚園教諭免許を持っている方は、保育園以外でも頼りにされる職場がたくさんあります。
「資格を持ちながら、働く環境を変えたい」という方に向いている職種を10つ紹介します。
①認定こども園
保育所と幼稚園の機能を一体化した施設です。0〜5歳の子どもを対象に、保育と教育の両方を担います。
保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が求められることが多く、保有者にとっては資格を最大限に活かせる職場です。
保育所に比べて行事や教育活動の幅が広いため、「子どもともっと豊かな時間をつくりたい」という方に向いています。
②企業内保育所
企業が自社の従業員向けに設置する保育施設です。
一般的な認可保育所と比べて預かる子どもの数が少なく、一人ひとりとじっくり向き合えるのが特徴です。
土日休みが多く、残業も比較的少ない傾向があるため、「働き方を整えたい」という方に選ばれています。
③病児保育・院内保育
病児保育は、体調不良の子どもを一時的に預かる施設です。
院内保育は病院や診療所に併設され、医療スタッフの子どもを保育します。医療の現場に近い環境で働けるため、健康や発達に関する知識が自然と深まります。
子どもの体調変化に気づく観察力が特に求められます。
④放課後等デイサービス
障がいのある子どもや、発達に特性を持つ子どもが放課後や休日に通う福祉サービスです。
保育士資格があると、児童指導員として働く要件を満たせるため、特別な追加資格なしで働き始めることができます。
子どもの「できた」という瞬間を一緒に喜べる、やりがいの深い仕事です。
⑤児童発達支援事業所
未就学の障がい児や発達に特性のある子どもを支援する施設です。
言葉や運動、生活習慣など、子どもの発達をサポートします。保育士資格があれば働けるポジションが多く、より専門的な支援に興味がある方は「児童発達支援管理責任者」などの資格取得を目指すこともできます。
⑥学童保育(放課後児童クラブ)
小学生の放課後や長期休暇中の生活を支える施設です。
保育士資格があると「放課後児童支援員」の認定研修を受ける要件を満たせるため、キャリアとして移行しやすい職種です。
土日休みの職場が多く、長期休暇中の短期勤務から始めることもできます。
⑦ベビーシッター(資格活用型)
保護者の自宅や指定場所で、子どもを個別に保育する仕事です。
保育士資格があると、マッチングサービスへの登録がしやすく、依頼者からの信頼も得やすくなります。
勤務時間や曜日を自分で調整できるため、「子育てや家庭の事情に合わせて働きたい」という方に向いています。
⑧乳児院・児童養護施設
家庭で生活できない子どもを支援する施設です。
乳児院は0歳〜2歳未満、児童養護施設は2歳〜18歳未満の子どもが対象です。
生活全般を支える仕事のため、保育所とは異なるやりがいがあります。子どもの生活に深く関わりたい方に向いています。
⑨保育士養成校・専門学校のスタッフ
保育士や幼稚園教諭を目指す学生を指導・サポートする仕事です。
実習指導や授業補助など、現場経験を「教える力」に変えられます。週休2日制で年間休日も多く、「体力的に現場が辛くなってきた」という方のキャリアチェンジ先としても注目されています。
⑩子育て支援センタースタッフ
地域の親子が気軽に集まれる場所として、各市区町村が設置している施設です。
保育所ほどの体力的な負担が少なく、保護者との対話を中心とした仕事です。「施設保育は離れたいが、地域の子育てに関わり続けたい」という方に向いています。
3.【資格なし・未経験でも始められる】子供と関わる仕事10選

「保育士資格はないけれど、子どもに関わる仕事がしたい」「子育て経験を活かして働きたい」という方も、選べる仕事はたくさんあります。
資格なし・未経験から始めやすい仕事を10つ紹介します。
①保育補助スタッフ
保育士の補助として、子どもの世話や環境整備を手伝う仕事です。
資格は不要で、未経験からでも始められます。働きながら保育士の試験勉強ができるため、「いずれ資格を取りたい」という方のスタート地点として最適です。
求人数も多く、パート・アルバイトから始められる職場も豊富です。
②学童保育補助スタッフ
放課後児童クラブで子どもの宿題を見たり、遊びを一緒に楽しんだりするサポートをします。
資格不問の求人も多く、「小学生と関わりたい」という方に向いています。午後からの勤務が中心なので、午前中に別の活動と組み合わせやすい働き方です。
③子ども向けイベントスタッフ
テーマパーク、体験型イベント、商業施設のキッズコーナーなどで子どもをサポートする仕事です。
体力と明るさがあれば始めやすく、季節や曜日単位での短期・単発の求人も多いのが特徴です。「まず子どもと関わる仕事を体験してみたい」という方の入口として向いています。
④子ども向け写真館スタッフ
七五三やお宮参りなどの記念写真を専門とする写真館で、子どもの緊張をほぐして自然な笑顔を引き出すのが主な役割です。
カメラの技術は後から学べますが、子どもとのコミュニケーション力はすぐに活かせます。季節によって繁閑の差があるため、繁忙期のみの勤務からスタートできる職場もあります。
⑤子ども服・玩具販売スタッフ
子ども服専門店や玩具売り場での接客・販売の仕事です。
子どもと保護者の両方と接する機会が多く、接客経験や子育て経験がそのまま活かせます。シフト制で融通が利きやすく、週2〜3日からでも働ける求人が多いのが魅力です。
⑥キッズタクシー・送迎ドライバー
子どもの送迎専門のタクシーや、保育施設の送迎バスを運転する仕事です。
普通自動車免許(一部は二種免許)があれば始められます。「子どもと関わる仕事をしたいが、体力的な負担は少なめにしたい」という方に向いています。
⑦プレイパーク・児童館スタッフ
地域の子どもが自由に遊べる公園や施設の運営・管理をする仕事です。
子どもの自主性を大切にしながら見守るスタイルのため、過度な介入よりも「そっと支える」関わり方が求められます。
地域密着型のため、比較的安定して長く働ける職場が多いです。
⑧英会話・習い事スクール講師
子ども向けの英会話教室、体操教室、音楽教室などでの指導補助や講師の仕事です。
特定のスキルや経験(英語、スポーツ、音楽など)を持っている方は、その専門性をそのまま活かせます。
民間の研修制度が充実しているスクールも多く、未経験でも採用している職場があります。
⑨学習塾の補助スタッフ・採点スタッフ
塾講師の補助や、生徒が解いた問題の採点・丸つけをする仕事です。
授業をメインで担当するわけではないため、教えることへの不安が少ない方でも始めやすい仕事です。
夕方〜夜間の勤務が中心なので、日中別の仕事をしている方の副業としても選ばれています。
⑩ファミリーサポートセンタースタッフ
地域の子育てを地域でサポートし合う仕組みで、子どもの一時預かりや送迎などを行います。
各市区町村が運営しており、所定の講習を修了すれば登録できます。子育て経験がある方が活躍しやすく、自分の生活リズムに合わせて活動時間を調整しやすいのが特徴です。
4.子供と関わる仕事に向いている人・向いていない人
適性チェック
観察力
切り替え
体力
連携力
対話力
思い通りに進まないストレス
「好き」が強すぎると負担になる場合も
保護者対応が苦手
病院内・企業内など「接点の少ない職場」を検討
「子どもが好き」という気持ちはとても大切ですが、それだけでは判断しにくいこともあります。
向いている人の特徴と、注意が必要なポイントを正直に整理しました。
向いている人の特徴
子どもの気持ちや体調の変化に気づける観察力がある人
子どもは言葉でうまく伝えられないことが多いです。表情や仕草の小さな変化を読み取れる観察力がある方は、現場でとても頼りにされます。
気持ちの切り替えが早い人
子どもとの関わりは、予想外の出来事の連続です。うまくいかない場面があっても気持ちを切り替え、次に向かえる人が向いています。
体力に自信がある人
特に乳幼児の保育や、小学生との関わりは体を使う場面が多いです。立ち仕事・外遊びの付き添いなど、体力的な消耗は避けられません。
チームで動くことが苦にならない人
子どもの安全を守るには、職員同士の連携が欠かせません。一人で抱え込まず、周囲と情報を共有しながら動ける人が活躍しやすい環境です。
保護者とのコミュニケーションが取れる人
子どもと関わる仕事は、保護者との信頼関係づくりも重要な仕事の一部です。日頃のちょっとした声かけや報告が、信頼につながります。
注意が必要なポイント
「子どもが好き」という気持ちは大前提として大切ですが、それが強すぎるあまり「子どもが思い通りに動かないとストレスを感じてしまう」という方は、職場環境や職種の選び方を慎重に考えることをおすすめします。
また、保護者対応が苦手な方も、職種によっては保護者との接点が少ない働き方(病院内保育・企業内保育など)を選ぶことで、ストレスを減らすことができます。
「子どもに関わりたい気持ち」は同じでも、どんな関わり方が合っているかは人それぞれです。自分に合う関わり方を探して選ぶことが大切です。
5.保育士経験者が転職先を選ぶときのポイント

保育士として現場を経験してきた方が転職先を選ぶとき、押さえておきたいことがあります。
「また同じことで悩みたくない」という思いを、次の職場選びに活かしていきましょう。
退職理由から「自分の譲れない条件」を整理する
厚生労働省の調査によると、保育士が退職する主な理由の上位は「職場の人間関係」(33.5%)と「給料が安い」(29.2%)です。
退職の理由は人それぞれですが、「なぜ辞めたのか」を振り返ることで、次の職場に求める条件が見えてきます。
人間関係に悩んだなら職員定着率や職場の雰囲気を、給与に悩んだなら処遇改善加算への取り組みや昇給の仕組みを、転職先選びの基準にしてみましょう。
出典:厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書」
求人票で確認したい3つのポイント
①ICT化・業務改善への取り組み
書類作成や連絡帳がデジタル化されているか、持ち帰り仕事が少ない仕組みがあるかを確認しましょう。
ICTツールを導入している職場は、業務負担の軽減に前向きな環境である可能性が高いです。
②職員の平均勤続年数・定着率
求人票や面接で職員の平均勤続年数を確認することをおすすめします。人が定着している職場は、それだけ働きやすい環境が整っている目安になります。
逆に、短期間で人が入れ替わっている職場は注意が必要です。
③保育方針・子どもへの関わり方のスタンス
「どんな保育をしたいか」という自分の価値観と、施設の保育方針が合っているかどうかは、長く働き続けられるかどうかに大きく関わります。
見学や面接の機会に、実際の保育の様子を確認してみましょう。
保育園以外への転職を考えるときの判断軸
「保育士資格は持ちながら、施設保育以外に転職したい」という場合、次の3つの視点で考えると整理しやすくなります。
この3つを整理するだけで、自分に合う職種や働き方が見えやすくなります。
6.よくある質問

子どもと関わる仕事を探している方から、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. 保育士資格がなくても、子どもと関わる仕事はできますか?
できます。保育補助スタッフ、学童保育補助、子ども向けイベントスタッフなど、資格不問で働ける職種は多くあります。
まず現場に入って経験を積みながら、後から資格取得を目指す方も少なくありません。
Q. 保育園を辞めた後も、保育士資格は使えますか?
はい、保育士資格は一度取得すれば生涯有効です(登録が必要)。
放課後等デイサービス、病児保育、企業内保育所など、資格を必要とする職場は保育園以外にも多くあります。ブランクがあっても資格があれば再就職しやすい業界です。
Q. ベビーシッターは個人で始めることができますか?
個人での活動は可能ですが、マッチングサービスへの登録が一般的です。
登録の際に保育士資格や実務経験の有無が確認されることがあります。また、2021年の法令改正により、ベビーシッターとして活動する事業者には都道府県への届出が義務化されています。
個人で始める場合は、関係する規定をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
Q. 子どもと関わる仕事で給与を上げるには、どうすればよいですか?
大きく3つの方法があります。
①処遇改善加算に積極的に取り組んでいる施設に転職する
②主任保育士やリーダー職などを目指して役職手当を得る
③社会福祉士・精神保健福祉士・チャイルドマインダーなど関連する資格を取得して専門性を高める
といった方向が考えられます。
7.まとめ|子供と関わる仕事は、保育園の外にも広がっています

子どもに関わる職場は、保育園・幼稚園だけでなく、医療・福祉・一般企業・在宅など幅広くあります。
保育士の資格や現場で積んできた経験は、施設保育以外でも大きな強みになります。
転職先を選ぶときは、まず退職理由を整理して「自分の譲れない条件」を明確にすることが、後悔しない職場選びの第一歩になります。