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保育士の自己評価の書き方|例文・3つの観点も解説

「自己評価シートをどう書けばいいかわからない」「反省ばかりになってしまって前向きな文章が書けない」と悩んでいませんか?

保育士の自己評価は毎年提出が必要なのに、書き方がわかりにくく、多くの方が苦労しています。

この記事では、自己評価の目的・制度の背景から、書き方のコツ、経験年数・場面別の例文まで、わかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 保育士の自己評価の目的・制度的な根拠・3つの観点について
  • 評価者に伝わる書き方のポイントと、よくあるNG表現について
  • 経験年数別・場面別・雇用形態別に使える具体的な例文について
目次

1. 保育士の自己評価とは|制度の目的と法的根拠

1. 保育士の自己評価とは|制度の目的と法的根拠

保育士の自己評価は「なんとなく書く書類」ではなく、国の指針で定められた専門職としての取り組みです。

まずは目的と制度の背景を押さえておきましょう。

保育士の自己評価は努力義務

保育士の自己評価は、「保育所保育指針」(平成29年告示)により、実施が努力義務として定められています。

指針の第1章「3 保育の計画及び評価(4)」では、次のように示されています。

保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。

参考:厚生労働省 保育所保育指針(平成29年告示版)

つまり自己評価は、書類提出が目的ではなく、自分の保育を客観的に振り返り、より良くしていくための仕組みです。

「反省の場」ではなく「保育をよくするツール」

自己評価と聞くと「失敗を反省する場」と思いがちですが、それは誤解です。こども家庭庁の「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」では、目的をこのように説明しています。

保育所における自己評価は、保育の質の確保・向上を図ることを目的として行うものである。

参考:こども家庭庁 保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)

自己評価は「子ども理解を深め、保育をよりよくするためのプロセス」です。良し悪しを決める場ではありません。

個人の自己評価と、園(保育所)の自己評価の違い

自己評価には「保育士個人が行うもの」と「園全体で行うもの」の2種類があります。

個人の自己評価園(保育所)の自己評価
主体保育士一人ひとり施設・組織全体
目的スキルアップ・実践の改善保育の質向上・保護者や地域への公表
担当者各保育士園長・主任・リーダー層

この記事では、保育士個人の自己評価の書き方を中心に解説します。

2. 保育士の自己評価における3つの観点|ガイドラインが示す評価の基準

2. 保育士の自己評価における3つの観点|ガイドラインが示す評価の基準

園によって評価シートの項目は違いますが、ベースはこども家庭庁のガイドラインです。

「何を書けばいいかわからない」と迷ったとき、この3つの観点を確認しましょう。

参考:こども家庭庁 保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)

観点Ⅰ:保育の基本的理念と実践に係る観点

子どもの発達の理解、適切な関わり方、環境づくりなど、保育の実践そのものに関する観点です。

「子どもの気持ちに寄り添えているか」「遊びを通じた関わりができているか」といった内容が問われます。

観点Ⅱ:家庭及び地域社会との連携や子育て支援に係る観点

保護者との信頼関係や育児相談の対応、地域との連携など、家庭・地域と園をつなぐ役割に関する観点です。送迎時の会話や連絡帳のやりとりの質などが問われます。

観点Ⅲ:保育の実施運営・体制全般に係る観点

指導計画の作成・振り返り、職員間の連携、研修への参加など、保育の運営・専門性アップに関する観点です。

チームワークや報連相、自分から学ぶ姿勢などが見られます。

3. 保育士の自己評価の書き方の流れ|PDCAサイクルで迷わず進める

3. 保育士の自己評価の書き方の流れ|PDCAサイクルで迷わず進める

「何から始めればいいかわからない」という方は、PDCAサイクルの流れで考えると整理しやすくなります。

日々の記録を積み重ねることが、スムーズに書くための一番の近道です。

参考:こども家庭庁 保育所における自己評価ガイドラインハンドブック

  • ① 目標設定(Plan):年度の始めに、具体的な目標を立てる
  • ② 実践と記録(Do):保育日誌や連絡帳に日々の実践を書き残す
  • ③ 振り返り(Check):目標に対して「できた点」「課題」を整理する
  • ④ 改善策(Action):次の期・次年度に向けて取り組むことを決める

この4ステップを意識すると、評価シートに書く内容が自然とそろいます。

4. 保育士の自己評価の書き方|評価者に伝わる文章の3つのポイント

「書いたけれど、伝わっているか不安」という方へ。

次の3つを意識するだけで、ぐっと読みやすく説得力のある自己評価になります。

ポイント①:具体的なエピソードと子どもの変化を書く

「子どもに寄り添う援助を心がけた」だけでは伝わりません。実際の出来事と子どもに起きた変化をセットで書くことが大切です。

❌ NG例:子どもへの援助を積極的に行うよう意識しました。

✅ OK例:給食で食が進まない子どもに、「一口だけ食べてみよう」と声かけのタイミングと言葉を工夫したところ、徐々に自分から食べようとする姿が見られるようになりました。

ポイント②:回数・期間など数字を使う

「よく」「積極的に」といったふんわりした表現より、数字を入れると客観的になります。

✅ 数字あり例文:職員会議で月1回、気になる子どもの様子を共有する場を設けることを提案し、3ヶ月間続けました。

ポイント③:「できなかった」で終わらせず、次のアクションで締める

反省点を書くことは大切ですが、最後に「次はこうします」という一言を必ず添えましょう。前向きな印象で締めくくれます。

❌ NG例:保護者への連絡が遅れることがありました。

✅ OK例:保護者への連絡が遅れることがありました。来年度は、気になったことをその日のうちにメモし、翌朝の送迎時に必ず伝えることを習慣にします。

5. 保育士の自己評価でよく使いがちなNG表現チェックリスト

5. 保育士の自己評価でよく使いがちなNG表現チェックリスト

「しっかり書いたつもりなのに、なぜか伝わらない」という場合、言葉の選び方が原因かもしれません。

現場でよく見かけるNG表現と、具体的な言い換えを確認しておきましょう。

NG表現なぜNGか言い換えのポイント改善例
子どもに寄り添いました何をしたか不明行動+子どもの変化を書くAちゃんが泣いた際、しゃがんで目線を合わせ「どうしたの?」と声をかけました
積極的に取り組みました主観的で根拠がない回数・頻度など数字で示す週3回の朝の会でリードを担当し、子どもが発言しやすい進行を心がけました
頑張りました何をどう頑張ったか不明行動の結果・成果を具体的に書くクラス全員の名前と特性を入職1ヶ月以内に覚え、個別対応に活かしました
保護者対応を意識しました何を意識したか不明何を・どう実践したか書く送迎時に毎日、子どもの具体的なエピソードを1つ以上お伝えするようにしました
反省しています改善策がない次の行動をセットで書く連絡が遅れる場面があったため、翌日必ず伝えるメモを取る習慣にします
コミュニケーションを大切にしました抽象的すぎる誰と・どんな場面で関わったか書く月1回の職員ミーティングで悩みを共有し、クラス間の情報共有を強化しました

6. 【経験年数別】保育士の自己評価の例文|新人・中堅・ベテランごとに解説

6. 【経験年数別】保育士の自己評価の例文|新人・中堅・ベテランごとに解説

経験年数によって、評価で見られるポイントは変わります。

自分のキャリアに合った例文を参考に、実際の体験に置き換えて使ってください。

新人保育士(1〜3年目)の例文

新人期は、基礎的な保育の実践、報連相、子どもとの信頼関係づくりを中心に評価します。

子どもへの援助(目標と評価の例)

目標例:一人ひとりの成長に合わせた声かけや援助ができる保育士を目指す。

自己評価例:保育日誌を使って子どもの変化を記録し、次の日の関わり方に活かすよう心がけました。

最初は全員に同じ対応をしてしまうことがありましたが、記録を重ねることで「この子は名前を先に呼んでから声をかけると安心する」といった個別の関わり方が見えてきました。

引き続き、記録と実践を繰り返していきたいと思います。

保護者対応(目標と評価の例)

目標例:送迎時に毎回、子どもの様子をひとつ具体的に伝えられるようにする。

自己評価例:送迎時に「今日は○○をして楽しんでいましたよ」と具体的なエピソードを伝えるよう意識しました。

最初は言葉が出てこず短い報告になることもありましたが、伝えたいことを一言メモしておく習慣をつけたことで、保護者の方から「いつも詳しく教えてくれてありがとう」と言っていただける機会が増えました。

来年度も丁寧なやりとりを続けます。

中堅保育士(4〜6年目)の例文

中堅期は、クラスを主体的に動かすこと、後輩へのサポートが評価のポイントになります。

職員間の連携(目標と評価の例)

目標例:サブ保育士や実習生に対して、わかりやすい助言と役割分担ができるようにする。

自己評価例:サブ保育士2名と週1回の打ち合わせを設けて情報共有を行い、気になる子どもの見方をすり合わせることができました。

繁忙期には打ち合わせを省略してしまうこともあり、連絡漏れが起きる場面もありました。

来年度は、短時間でも記録を共有できる仕組みを主任と一緒に考えたいと思います。

指導計画(目標と評価の例)

目標例:月案・週案の作成を主体的に担い、日々の保育とつなげる。

自己評価例:子どもの興味や季節の行事を取り入れた月案・週案を作成しました。

計画に沿って実践したことで、造形活動への参加が増え、完成した作品を友だちと見せ合う姿が見られるようになりました。

来年度は、子ども一人ひとりの記録ともっとつなげた計画づくりに取り組みます。

ベテラン保育士(7年以上)の例文

ベテラン期は、園全体のサポートや後輩育成、マネジメントの視点での評価が求められます。

後輩育成・マネジメント(目標と評価の例)

目標例:若手保育士の育成を支援し、クラスをこえた連携体制をつくる。

自己評価例:今年度は若手保育士3名のOJTを担当し、週1回の振り返り面談を実施しました。

保育日誌の書き方や保護者対応のロールプレイングを取り入れたことで、2名が保護者からの相談を自ら受けられるようになりました。

来年度はスケジュールにゆとりを持てるよう、主任と相談しながら進めていきます。

7. 【場面別】保育士の自己評価の例文|子ども・保護者・職員との関わりごとに

評価シートは「子どもとの関わり」「保護者対応」「職員間の協働」など場面ごとに分かれていることが多いです。

それぞれに使える例文を紹介します。

子どもへの援助に関する例文

自己評価例:外遊びでグループに入れない子どもに対し、自分が直接声をかけるより、クラスの子どもを仲立ちにした関わり方を意識しました。

「○○ちゃんに一緒に砂遊び誘ってみようか」と声をかけたことで、子ども同士のやりとりが生まれ、自然に遊びの輪に入れる場面が増えました。

今後も子どもの主体性を活かした援助を続けていきます。

保護者対応に関する例文

自己評価例:今年度は「子どもが最近家でも○○の話をよくしています」と教えていただく機会が増え、園での様子が家庭に伝わっていると感じました。

送迎時に意識してポジティブなエピソードをお伝えしてきた成果だと思います。

一方、困りごとを抱える保護者への対応では、まず話を聞くことを最優先にすることが今後の課題です。

職員間の協働に関する例文

自己評価例:職員会議で月1回、クラスの取り組みを他のクラスと共有する場を提案・実施しました。

他の担任から「参考になった」というフィードバックをもらえました。

来年度は共有内容をまとめておき、新人保育士がいつでも見返せる形にしていきたいと思います。

8. 【パート・フリー保育士向け】雇用形態別の自己評価の書き方と例文

パートや非常勤、フリー保育士でも、自己評価の提出は正規職員と同様に求められます。

「補助しかしていないから書くことがない」と思わず、自分の目線から見えた成果を書きましょう。

担当した業務の中で「貢献できたこと」を具体的に書く

その業務を通じて子どもや職員にどう貢献できたかを、具体的なエピソードと変化を交えて書きましょう。

パート保育士の例文:朝夕の預かり保育を担当しました。

少人数の時間帯を活かし、一人ひとりの子どもとゆっくり関われるよう意識しました。

人見知りの強い子どもに毎日挨拶と短い会話を続けたところ、3ヶ月後には自分から話しかけてくれるようになりました。

フリー保育士として複数のクラスを担当した場合の例文

フリー保育士の例文:複数のクラスに入る立場を活かし、各クラスの担任の保育スタイルや子どもとの関わり方を観察しました。

補助に入る際はそのクラスのルールに合わせた動き方を心がけました。

どのクラスでもすぐに動けるよう、各クラスの様子をメモしておく習慣を今後も続けます。

9. 保育士の自己評価をスムーズに書くための日常の習慣

9. 保育士の自己評価をスムーズに書くための日常の習慣

「毎年ゼロから書くのがつらい」という方は、日常の記録の使い方を少し変えるだけで、年度末の負担がぐっと減ります。

保育日誌・連絡帳を「自己評価のネタ帳」として使う

こども家庭庁のガイドラインハンドブックでも、日々の記録を自己評価に活用することが推奨されています。

毎日書いているものが、そのまま年度末の材料になります。

参考:こども家庭庁 保育所における自己評価ガイドラインハンドブック

  • 「今日うまくいった関わり」「次はこうしたい」を保育日誌に一言メモする
  • 月に1回、その月の記録を読み返して気づきを書き出す

目標と自己評価はセットで考える

年度始めの目標が漠然としていると、振り返りのときに「何を書けばいいかわからない」となってしまいます。

目標は「何を・どのように・どれくらい」を具体的に決めておくと、自己評価がぐっと書きやすくなります。

❌ NG例:保護者対応をがんばる。

✅ OK例:毎日の送迎時に、必ずその日の子どもの様子をひとつ伝えることを習慣にする。

よくある質問

保育士の自己評価はいつ提出するのですか?

提出時期は園によって異なりますが、一般的には年度末(3月)や期ごと(中間・期末)に設定されているケースが多いです。

年度始めに自園の評価サイクルを確認しておくと、日々の記録を意識して残しやすくなります。

自己評価シートの文字数・量の目安はありますか?

園が用意するシートの様式によって異なります。

自由記述欄が設けられている場合は、「目標→実践した内容→子どもや職員の変化→次の取り組み」の流れで3〜5文程度まとめると、読み手に伝わりやすくなります。

量よりも「具体性」が重要です。

自己評価の結果は人事評価に使われますか?

保育所保育指針に基づく自己評価は、あくまでも保育の質向上を目的としたものです。

ただし、園によっては自己評価の内容を人事考課の参考資料として活用する場合もあります。

運用方法は園ごとに異なるため、不明な点は主任や園長に確認することをおすすめします。

まとめ:保育士の自己評価は「前向きな振り返り」のツール

まとめ:保育士の自己評価は「前向きな振り返り」のツール

保育士の自己評価は、保育所保育指針に基づく努力義務であり、その目的は保育の質を高めることにあります。

こども家庭庁のガイドラインが示す3つの観点(保育の実践・家庭地域連携・運営体制)を軸に、具体的なエピソードや数字を交えて書くと、読み手に伝わりやすい評価になります。

反省で終わらせず「次はこうします」という改善策をセットで書くことで、前向きな振り返りとして機能します。

保育日誌や連絡帳を日ごろから「ネタ帳」として活用しておくと、年度末に慌てずに書けるようになります。

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