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子育て支援員の資格とは?取り方・研修コース・保育士との違いを解説

「保育の仕事に興味はあるけれど、保育士資格はハードルが高い…」と感じていませんか?

そんな方に知ってほしいのが、子育て支援員という選択肢です。都道府県の研修を修了するだけで取得でき、受講料は基本的に無料。

未経験・無資格からでも、保育の現場で活躍できる公的な認定制度です。

この記事では、子育て支援員の資格の基本から取得の流れ、保育士との違い、給与・求人事情まで、必要な情報をまとめて解説します。

この記事を読んでわかること
  • 子育て支援員の資格の概要と保育士との違いについて
  • 4つの研修コースと取得までの流れ・費用について
  • 資格取得後の給与・求人・キャリアアップの実態について
目次

1.子育て支援員の資格とは?制度の基本をわかりやすく解説

1.子育て支援員の資格とは?制度の基本をわかりやすく解説

子育て支援員は、都道府県が実施する研修を修了することで認定される、全国共通の公的な資格です。

2015年(平成27年)、国の「子ども・子育て支援新制度」とともに設けられました。国家資格の保育士とは違い、各都道府県知事による認定という位置づけで、試験はありません。

制度のポイントをまとめると、次のとおりです。

項目内容
創設年2015年(平成27年)
もとになる制度子ども・子育て支援新制度
認定する主体各都道府県知事
資格の種類研修修了による公的認定(国家資格ではない)
取得に必要なこと基本研修+専門研修の修了
受講料原則無料(テキスト代等の実費は自己負担)
年齢制限原則なし(都道府県による)

2.子育て支援員の資格が求められる理由|保育現場の人材不足が深刻

2.子育て支援員の資格が求められる理由|保育現場の人材不足が深刻

子育て支援員が注目される背景には、保育業界の慢性的な人材不足があります。数字で見ると、その深刻さがよくわかります。

こども家庭庁の調査によると、全国的に保育施設での人材確保が課題となっており、人材不足を理由に子どもの受け入れを制限している施設も報告されています。

また、厚生労働省の調査では、若い世代の約7割が仕事と育児の両立に不安を感じており、「共育て実現には社会や地域の支援が必要」と答えた割合が64.8%にのぼります。

(参考:厚生労働省 若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査)

育児と仕事の両立に不安を抱える若年層が7割を超える現状と、2026年度から本格展開される「こども誰でも通園制度」が重なることで、子育て支援員は「支援を必要とする家庭の増加」と「対応する施設の担い手確保」という二重の社会的ニーズを担う立場になっています。

さらに2026年度から本格スタートした「こども誰でも通園制度」(生後6か月〜2歳の乳幼児が対象)により、対応施設での子育て支援員の需要が高まっています。

(参考:こども家庭庁 こども誰でも通園制度に関する研修資料)

3.子育て支援員の資格の取り方|研修の流れと4つのコース

3.子育て支援員の資格の取り方|研修の流れと4つのコース

取得の流れはシンプルです。研修に申し込み、基本研修と専門研修を修了すれば、試験なしで認定されます。

ここでは、ステップごとに詳しく説明します。

資格取得までのステップ

STEP 1:お住まいの都道府県の窓口を確認する
スケジュール・定員・申込方法は都道府県ごとに異なります。

まず自治体の公式サイトで最新の募集情報を確認しましょう。

STEP 2:希望のコースを選んで申し込む
4つの専門コースの中から、働きたい職場にあわせて選びます(詳細は後述)。

STEP 3:基本研修を受講する(全コース共通・約8時間)
子ども・子育て支援制度の基礎知識、子どもの発達、安全・救急対応などを学びます。

eラーニング(オンライン)で受講できる都道府県も増えています。

STEP 4:専門研修を受講する(コースにより内容・時間数が異なる)
選んだコースに対応した知識・スキルを学びます。

地域保育コースなど一部のコースでは、2日間の現場見学実習があります。

STEP 5:修了証の交付・認定
すべての研修を修了すると、都道府県知事から修了証が交付され「子育て支援員」として認定されます。

有効期限はなく、全国で使えます。

参考:こども家庭庁 子育て支援員研修 教材・映像資料/厚生労働省「子育て支援員」研修について

4つの専門研修コース|働きたい場所で選ぼう

専門研修は、働きたい施設や事業の分野によって4つのコースに分かれています。

①地域保育コース

小規模保育所、家庭的保育(保育ママ)、一時預かり施設、「こども誰でも通園制度」対象施設で働きたい方向け。

乳幼児の保育補助を行うコースです。「こども誰でも通園制度」に対応した研修も新設されており、需要が伸びています。

現場見学実習(2日間)があり、事前に健康診断(検便・胸部レントゲン等)が必要な場合があります。

②地域子育て支援コース

地域子育て支援拠点(子育てひろば)、利用者支援事業所で働きたい方向け。

乳幼児とその保護者を支援するコースです。保護者からの相談対応や、地域の子育て情報を提供する業務が中心になります。

③放課後児童コース

放課後児童クラブ(学童保育)で働きたい方向け。

小学生の放課後を見守るコースです。放課後児童支援員の補助として働きます。

学童保育の登録児童数は近年増加傾向にあり、スタッフの需要が高い分野です。

④社会的養護コース

乳児院、児童養護施設などで働きたい方向け。

家庭での養育が難しい子どもたちをサポートする施設で、補助スタッフとして働くコースです。

専門性の高い現場ですが、このコースを修了することで勤務できます。

すでに資格がある方は基本研修が免除になる場合も

下記の資格をお持ちの方は、基本研修(全8科目)の一部または全部が免除される場合があります。

免除のルールは都道府県によって異なるため、申し込み前に確認してください。

  • 保育士
  • 幼稚園教諭
  • 看護師・准看護師
  • 社会福祉士
  • その他、保育・福祉関連の有資格者

eラーニング(オンライン研修)も活用できる

基本研修の一部または全部をeラーニングで受講できる都道府県が増えています。

24時間いつでも視聴でき、育児や仕事と両立しやすいのが魅力です。受講時に本人確認のための顔認証が必要な場合があります。

利用できるかどうかは、お住まいの都道府県の窓口でご確認ください。

4.子育て支援員の資格取得にかかる費用|研修は原則無料

4.子育て支援員の資格取得にかかる費用|研修は原則無料

受講料は原則無料ですが、一部の実費は自己負担になります。「無料=費用ゼロ」ではない点だけ押さえておきましょう。

費用の種類目安備考
テキスト代1,000〜3,000円程度コース・都道府県により異なる
健康診断費(実習がある場合)数千円程度検便・胸部レントゲン等。コースにより異なる
交通費実費会場までの往復
通信費実費eラーニング受講時のインターネット接続費

他の民間資格と比べると、トータルの負担はかなり少なく済みます。

5.子育て支援員と保育士の違い|資格・仕事内容・給与を比較

どちらも子どもに関わる仕事ですが、資格の種類・できる業務・待遇には明確な違いがあります。表で確認しておきましょう。

比較項目子育て支援員保育士
資格の種類研修修了による公的認定国家資格
取得方法都道府県の研修修了(試験なし)国家試験合格または養成校修了
取得期間の目安数日〜数週間数か月〜数年
クラス担任担当不可担当可
指導案の作成不要必要
保護者対応(メイン)原則行わない主担当として対応
職員配置への算定一部の施設・事業で算定可すべての認可施設で算定
平均時給1,100〜1,400円程度1,400〜1,700円程度(パート)

子育て支援員は担任を持たず、指導案の作成も不要です。

保育士の補助として働くため、「重い責任は難しいけれど、子どもに関わる仕事がしたい」という方に向いている選択肢といえます。

6.子育て支援員の資格を持つと何ができる?仕事内容と働ける場所

6.子育て支援員の資格を持つと何ができる?仕事内容と働ける場所

子育て支援員が実際の現場でどんな仕事をするのか、働ける施設の種類とあわせて確認しておきましょう。

主な仕事内容

  • 食事・着替え・トイレのサポート
  • 外遊びの見守りと安全確認
  • 保育室の清掃・おもちゃ・教材の準備
  • 絵本読み聞かせや室内遊びの補助
  • 登降園時の子どもの受け入れ補助
  • 保護者への簡単な情報提供(※メイン対応は保育士が担当)

働ける主な施設・事業

コース主な働き先
地域保育コース小規模保育所、家庭的保育、一時預かり施設、こども誰でも通園対応施設
地域子育て支援コース地域子育て支援拠点(子育てひろば)、利用者支援事業所
放課後児童コース放課後児童クラブ(学童保育)
社会的養護コース乳児院、児童養護施設

チェック済み

7.子育て支援員の給与・時給の相場|資格なしとどう変わる?

気になる給与の目安を、雇用形態別に確認しておきましょう。

雇用形態時給・月収の目安
パート・アルバイト時給1,100〜1,400円程度
正社員・常勤月収18万〜22万円程度

資格なしの保育補助スタッフと比べると、時給30〜50円の加算がつく求人もあります。履歴書の資格欄に記載できるため、採用でも有利になるケースがあります。

また、国全体で保育士等の処遇改善が継続的に進められており、保育所の常勤保育士の平均給与は改善傾向にあります。

(参考:令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査|こども家庭庁)

チェック済み

8.子育て支援員の資格|こんな方が取得しています

「自分でも取得できるのか」と迷っている方のために、よく見られるケースを3つ紹介します。

ケース① 育休明けに「無理なく」復帰したい30代

フルタイムは難しいけれど、社会とのつながりを取り戻したいと感じている方に多いパターンです。

週3日・午前中のみなど、育児スケジュールに合わせた働き方で小規模保育所や一時預かり施設に入る方が見られます。

担任を持たなくていい点も、「まず現場に慣れることから始めたい」という方に向いています。

ケース② 定年後に地域貢献がしたい60代

退職後に「地域の役に立てる仕事をしたい」と研修に参加するシニア層も一定数います。

放課後児童コースを選び、学童保育スタッフとして週数回勤務するケースが多いです。年齢制限がなく、経験豊富なシニアを歓迎する施設も多くあります。

ケース③ 保育士を目指す20代・まず現場を経験したい

保育士の勉強を進めながら、先に現場感覚をつかんでおきたいという方にも選ばれています。

子育て支援員として働きながら実務経験を積むことで、保育士国家試験の受験資格(一定の実務時間数)を満たしながら試験勉強を進めることができます。

※上記はよく見られるケースをもとに編集部が構成したものです。個別の受講・就職条件はお住まいの都道府県の窓口や各施設にご確認ください。

9.子育て支援員の資格取得のメリット・デメリット

9.子育て支援員の資格取得のメリット・デメリット

取得を検討する前に、メリットとデメリットを両方確認しておきましょう。

メリット

① 未経験・無資格からでも取得できる

年齢制限がなく、保育や福祉の職歴がなくても受講できます。子育て経験しかない方でも問題ありません。

② 受講料が原則無料

テキスト代などの実費を除けば、ほぼコストをかけずに取得できます。

③ 短期間で取得できる

長期の通学や多科目の試験は不要。基本研修と専門研修を修了すれば認定されます。

④ 履歴書に書けて採用で有利になる

「子育て支援員歓迎」と明記した求人が増えており、資格なしとの差別化になります。

⑤ 保育士へのキャリアアップに活かせる

実務経験を積みながら、保育士国家試験の受験資格を得られる場合があります(施設の種類・実務時間数の要件あり)。

デメリット

① 保育士ほどの業務範囲・給与は得られない

担任・指導案・保護者対応のメインは保育士の担当です。より責任ある役割を担いたい場合は、保育士資格の取得が必要です。

② 募集は年数回で定員がある

応募者が多い場合は抽選になることもあります。募集開始のタイミングを逃さないようにしましょう。

③ 実習があるコースは事前準備が必要

地域保育コースは2日間の現場見学実習があり、事前に健康診断(検便・胸部レントゲン等)を受ける必要があります。費用とスケジュールの調整が発生します。

10.子育て支援員の研修申込み先|主要都道府県の公式ページ一覧

研修は都道府県ごとに実施されます。

申込み時期・定員・eラーニングの有無はそれぞれ異なるため、必ずお住まいの都道府県の公式情報を確認してから申し込んでください。

主要都道府県の公式申込み先

都道府県実施・受託機関公式ページ
東京都(地域保育コース)公益財団法人 東京都福祉保健財団公式ページを見る
東京都(地域子育て支援・放課後児童コース)LEC東京リーガルマインド(東京都委託)公式ページを見る
千葉県LEC東京リーガルマインド(千葉県委託)公式ページを見る
神奈川県神奈川県公式ページを見る
埼玉県埼玉県福祉部公式ページを見る
大阪府大阪府福祉部公式ページを見る
愛知県愛知県健康福祉部公式ページを見る
福岡県福岡県子ども家庭課公式ページを見る

※上記は主要都道府県の一例です。URLは変更される場合があります。

上記以外の都道府県は「〔都道府県名〕 子育て支援員 研修 令和8年度」で検索すると公式ページが見つかります。

申込み前に確認しておきたい3点

① 募集時期と定員

年1〜3回程度の募集が多く、定員を超えると抽選になります。募集開始と同時に申し込むのが確実です。

② eラーニングの有無

基本研修をオンラインで受講できるかどうかは都道府県によって違います。仕事や育児との両立を考えている方は、事前に確認しておきましょう。

③ コース別の実施状況

4つのコースすべてを開講している都道府県ばかりではありません。希望のコースが地元で受講できるかも確認が必要です。

よくある質問

研修に試験はある?落ちることはある?

筆記試験や実技試験はなく、研修を修了すれば認定されます。

ただし、応募者が定員を超えた場合に抽選で外れることがあります(資格の合否ではなく、受講機会の問題です)。

年齢制限はある?40代・50代でも取得できる?

原則として年齢制限はありません(都道府県によって「18歳以上」などの規定がある場合あり)。

40〜50代の方が活躍しているケースも多くあります。

修了証に有効期限はある?引っ越し先でも使える?

有効期限はなく、全国どこでも使えます。引っ越し後もそのまま有効です。

働きながら・育児中でも受講できる?

eラーニングを導入している都道府県なら、自宅で自分のペースで受講できます。

実施状況はお住まいの都道府県の窓口でご確認ください。

保育士資格があっても受講する意味はある?

基本研修の一部または全部が免除される場合が多いです。

「地域子育て支援コース」など特定の分野の知識を深めたい方が受講するケースもあります。

実習の健康診断はどこで受ける?費用は?

自治体の指定機関やかかりつけ医で受診できます。

検便・胸部レントゲン等の費用は数千円程度ですが、都道府県・コースにより異なるため募集要項でご確認ください。

まとめ|子育て支援員の資格は保育への現実的な第一歩

まとめ|子育て支援員の資格は保育への現実的な第一歩
  • 子育て支援員は2015年創設の全国共通の公的認定制度。都道府県の研修修了で取得でき、試験はない
  • 受講料は原則無料。テキスト代・実習の健康診断費・交通費は自己負担
  • 研修は「基本研修(全コース共通・約8時間)+専門研修(4コースから選択)」で構成される
  • 保育士と比べて取得のハードルは低いが、担任・指導案など業務範囲に違いがある
  • 実務経験を積みながら保育士国家試験の受験資格を目指すこともできる
  • 「こども誰でも通園制度」など新制度の広がりにより、活躍の場は今後さらに増えていく

未経験から保育の世界に踏み出す第一歩として、子育て支援員の研修はとても現実的な選択肢です。

まずはお住まいの都道府県の公式サイトで、最新の募集情報を確認してみてください。

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